株式会社オークノール Oak Knoll Co., Ltd

お知らせ

2021年11月3日

「なぜ日本人は株式資産を持たないのか?」

証券アナリストジャーナルの11月号に面白い記事がありました。題して「なぜ日本人は株式資産を持たないのか?」私も不思議に思っているこのテーマについてプロスペクト理論を用いて説明しています。 プロスペクト理論とはカリフォルニア大バークレー校からプリンストン大のダニエル・カーネマン(ノーベル賞受賞者)とエイモス・トペルスキー(こちらはミシガン大 Ph,D からスタンフォード)との共同研究による行動経済学の意思決定モデルの一つで 損失回避性 感応度逓減性 参照点依存症 という3つのバイアスが意思決定においてあるとしています。そして長い話を一気にまとめて結論を申し上げると「損失回避性」がもっとも日本人の心理の中にはびこっており、株式に対して大暴落のある確率が高く、バラツキの大きい投資対象と映り、魅力のある投資対象と捉えられていないという研究結果です。この結果も実は統計をみると明らかで日銀が昨年発表した資金循環表のうち、日本の家計における金融資産の中の現金比率の割合は2016年の51.7%から54.2% へと増える一方で、二人以上の勤労者世帯の株式投資比率は平均でわずか7% だそうです。 さらにこの論文では日米の株式運用の比較もされていて、はるかにアメリカ株のリターンが日本株を上回り、ここからも日本人には感覚として株式投資、特に日本株への投資に魅力を感じていない結果になっていると。いくら政府が貯蓄から投資へとNISA、iDeco なんだと煽っても笛ふけど踊らず状態が当面続くと。 論文は日本株を対象とした研究なのでそこで終わっていますが、ここで重要なのはそのような中でも少しづつ海外、特にアメリカ株の動きが良いことに理解を示す人が増えてきていることです。多くの日本人にはまだアメリカ株を身近に感じるのは難しいかもしれませんが、ディズニー、P&G、コルゲート、ファイザー、コカコーラ、アマゾン、ネットフリックス、アップル、マイクロソフト、、、、などなど、いくらでも身近なアメリカ企業はありますし、既に我々の生活の中に溶け込んでいます。もう一歩だけ踏み込んで外国株を投資対象に加える人が一人でも増えることを願っています

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