株式会社オークノール Oak Knoll Co., Ltd

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2026年4月19日

週末に思ったこと

このところ、おかげさまで仕事に忙しく、週末は今年から復活したジム通いも欠かさず続けており、充実した日々を送っているように感じています(とはいえ、時々サボりますが……)。 そんな中、この週末にエマニュエル・トッドの『2030 来るべき世界』という新書がこの春出たので読んでみたのですが、ふと木村尚三郎の著作を改めて読み返したくなり、パラパラと手に取りました。 読み進めるうちに、ひとつ面白い気づきがあったので、ここに書き留めておきたいと思います。 木村尚三郎氏は東京大学の西洋史学者で、私が20代の頃に読んだ『ヨーロッパからの発想』という本に大きな感銘を受けました。今でも自分の考え方の基礎の一部になっています。一方、トッド氏は『西洋の敗北』で広く知られる存在ですね。実は両者の著作はこの2冊程度しか読んでいないため大きなことは言えませんが、そこから感じたのは、「ヨーロッパと日本の違いは、制度や経済ではなく“思考の前提”にあるのではないか」という点です。 木村尚三郎氏は『ヨーロッパからの発想』の中で、ヨーロッパを「多様性を前提とした社会」として描いています。国境も言語も宗教も異なる人々が共存する中で、彼らは常に「違いをどう扱うか」を考え、その結果として個人が自立し、議論し、普遍的なルールを求める文化が形成されたと述べています。 一方、日本は均質性が高く、暗黙の了解や“空気”によって社会が成り立つ傾向があります。「言わなくてもわかる」ことが前提となり、個人よりも関係性や調和が優先される社会です。 この構造は、トッド氏の分析とも重なっているように感じました。彼は家族構造や歴史的背景から各国の価値観を読み解き、ヨーロッパが「個人主義的で外向きの社会」であるのに対し、日本は「関係性を重視する内向きの社会」であると指摘しています。 『ヨーロッパからの発想』で特に印象に残っているのが、レストランでの座り方の違いという象徴的な例です。ヨーロッパでは外に向かって座り、日本では奥に座る傾向がある。これは単なる習慣ではなく、「外に開くか、内で落ち着くか」という無意識の姿勢の違いとも言えるでしょう。 さらに、その背景として、ヨーロッパは陸続きで外部からの影響や脅威にさらされてきた一方、日本は海に囲まれているという地理的条件の違いにも言及されています。この説明を読んだとき、個人的には非常に腑に落ちた記憶があります(もちろん、あくまで一つの見方ではありますが)。 こうした違いに優劣はなく、「前提が違う」という事実です。例えば海外では、「なぜそうなるのか」という説明が求められ、論理や契約、明文化されたルールが重視されます。それは私が過ごしたアメリカの高校の授業でもそうでしたし、大学ではさらになぜ Why と理由、Because,,,, の説明、ロジックを求められました。一方で日本では、「信頼関係」や「これまでの経緯」が重視される場面が多くなります。この違いを理解せずにコミュニケーションを取れば、誤解が生まれるのはむしろ自然なことかもしれません。 これからの時代に必要なのは、「どちらが正しいか」を議論することではなく、「どの前提で話しているのか」を意識することではないでしょうか。 外に開く視点と、内で整える視点。その両方を行き来できることこそが、これからのグローバルな環境で求められる力だと感じています。 そしてこれは、単なる教養の話ではなく、実務にも直結します。特に海外投資においては、「説明されているか」「理解しているか」がすべての前提になります。 私自身、今後も欧米の方々と仕事をしていく中で、この「前提の違い」を意識し続けることが非常に重要だと感じています。

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